神の上にいた神、笑
サマールンルン シンタは崖っぷちだった。幼少の頃、そして中学期と続いたいじめで心身はズタボロ。
心気症によって太り、体の病気も発症。
それでもなんとか周囲に支えられここまでやってきた。
過去を回想し、悪い思い出の点と点を繋げようものなら、宇宙の果てまで意識はぶっとび把握できないものにまでなってしまうためそれだけはシンタにとってタブーであった。
そして幼少期中学期のあのいじめを心の中で何度も思い出し受け入れようとするのだが、なかなか底が見えない日々が続くのであった。
そんなシンタだったが、新しい世界を知る。
半ばひきこもり、くすぶっていた日々に夜明けが見えたのだ。
とある皿洗い工場に勇気を出して踏み出し、勤めはじめた時だ。
クリーニング工場。
衣服などの洗濯も請け負っているが、シンタが入った部署は食器洗い。
シンタはめきめきと腕を上げ、数ヶ月で皿洗いのプロフェッショナルを自負するまでになった。
きっと俺は・・・過去のあの苦しみがあるからここまでの底力を振り絞れるのだろう。
シンタは工場の高い天井の少し下にある小さな窓から薄い青色の空にかかる雲を見つめながら思った。
要は、凡人ではないというやつだ・・・・。
シンタはこぶしを握り締める。
俺は神になったんだ。
あんな経験を克服するなんて俺にしか出来ないからなぁ。
ちょっとずれているへんてこな話である。
小説。
約4000字。
20ページ。