義理の姉との7日間生活-5(中)

せなか
表紙:1pキャラ紹介:1p扉絵:3p本編:66p【ストーリー】彼と初めて会ったのは、顔合わせの食事会。
お父さんの再婚するヒトに子供がいるというのは、再婚前から聞かされていた。
「…ハルです。
よろしくお願いします」「明音です…。
よろしくお願いします」彼との初対面で交わした言葉はその程度。
以降、まともに会話した記憶は無い。
朝廊下ですれ違えば挨拶する程度。
私が彼位の年齢の頃、ほとんど男の子と会話した経験が無いせいか、彼との距離感を図りかねていた。
どう接したら良いかまるで分からない。
ある日急に一緒に暮らす事になった義理の姉。
彼は私をどう思っているのだろう。
私が彼なら…私になど話し掛けて欲しくは無い。
何の面白味も無ければ愛嬌も無い…つまらない女。
それに…もし変に距離を詰めてしまえば、また私の悪癖が顔を出しかねない。
男を見るなり、如何わしい感情を抱くクセ。
だからこのままで良いのかもしれない。
もう2年もすれば私も社会人になる。
それをきっかけにこの家を出れば良い。
それまでの関係。
ただの同居人。
彼にはまだ未来がある。
私のような汚い女と、関わる必要なんて無いのだ。
どうかそれまで、何も起こりませんように…。
なのに私は懲りずに、彼との愛欲に身を委ねている。
過去から何も学ばない女。
だから彼に勘違いをさせた。
私の事を「好き」だなんて…。
きっと彼は性欲と愛情を取り違えているのだろう。
だから彼に話した。
私の過去を包み隠さず。
私がしてきた事を知れば幻滅するだろう。
百年の恋すら冷めるはず。
どう償おうか…とりあえずこの家からは、就職を待たずに出るべきだろう。
数年距離を置けば、彼にも恋人ができ、私への一時の感情など綺麗に消えて無くなるはず。
ただ…私の彼への想いはいつ消えてくれるのだろう…。