川沿いの赤黒い虫

サマールンルン
そう言って公園でアゴヒゲの老人は紙芝居を閉じた。
夕方。
公園で秋の空気を楽しむ街の人たちには夜の向こうが見えている。
空き地の横の自販機で買った缶ジュースを持った二人の少年は次の日の紙芝居を楽しみにしていた。
老人はその道14年。
それで生計を立ててきた路上パフォーマーである。
苦労もあったようだ。
次の日の紙芝居は少し物悲しいとのこと。
小説。
約200字。
5ページ。