保健室の夜に、天使は微笑む

紺野こよみ
当直中の深夜。
静まり返る学園の保健室に、ひとりの少女がそっと忍び込んできた。
彼女の名は──聖〇ミカ。
どこか神秘的で、イタズラっぽい笑みを浮かべたその瞳は、無防備な先生の寝顔に興味を寄せていた。
「感情の起伏って、身体で確かめるのが一番早いんだよ?」誰もいない、静かな空間。
少しだけ近づいて、少しだけ触れてみたくなる。
その小さな好奇心は、やがてゆっくりと距離をなくしていく。
優しく、柔らかく、甘やかに──彼女は“先生”の中にある変化を見逃さない。
それはまるで、観察記録のような、淡い恋のような、まだ名前のない感情の連なり。
イタズラと好奇心と、ほんの少しの恋。
誰にも見られない放課後の保健室で、ふたりだけの静かな物語が始まる。