【月影の恋歌】九尾の幻姫と王の出合い

音羽ノ夢
千年に一度の満月の夜――九尾の幻姫は、湖畔で王を静かに待っていた。
民のために涙したその優しさに、初めて恋を知ったから。
月明かり、湖水の音、風に揺れる稲穂。
彼女は囁きとともに、心を、願いを、そして愛を伝える。
だが夜明けは近い。
別れの鐘が鳴る前に、彼女は誓う。
「また満月の夜、あなたに会いに来ます」