崖転落で異世界こんにちは【肆】
ろっきゅんハウス 血を浴びて、闇を斬る人の怨恨を浴びて、人を捨てる……遂にそれは化生と成す……やがてそれは鬼と化すならば鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)の怨嗟を孕む――享楽の果てに辿り逝くは斬九郎……血涙塗れの無間地獄……斬九郎――シュラ、彼の終わったと思っていた闇の行が、真の姿を現す。鬼となり、異世界へ正しく帰還する為、時の壊れた空間、伊賦夜坂を下るシュラは鬼のまま、過去の、自分を、世救い人、勇者、王、奇跡を行う命綬の者、等と、民衆が戦乱悪霊跋扈の世界破壊に期待を寄せて、自分を召喚した、まさに大舞台の根本、そのさらに過去の時代へシュラは出現する。
鬼と変貌していく自我崩壊の中で、シュラはまさに自分がどれだけの期待を願われ、呼び出され、そして悪の一文字で殺された――ゆえに民は落胆し、絶望し、希望を失う。
それを支えるように世に覇を唱えて現れるのは、魍魎跋扈の世を支配する左大臣、右大臣。
二つの勢力により救世主の死。
頼れるのは支配者のみと、過去の伝承を、口伝を、全て黙阿弥にするよう、己の存在が殺されたことをシュラはしる。
怒りに任せて、本来シュラを呼ぶ、春嘆の宵月――そこで行われた巨大祭事による邪魔を排除するために牙影が策を練った、複数の巨大舞台。
そこでシュラは、穢れた魂の権化を見知ることなく問答無用で殴り飛ばし、巫女を攫って――今、策謀だらけだった世界の秘密を知り得ながら、シュラの人への帰還を駆け抜ける。
その先にある真の闇の行を知らずに――