誰かのためのエチュード
羊毛再歌 夕方の部屋で、紗弥はラグに座り、ソファにもたれてくつろいでいた。すると実央は明日の演奏の練習と称し、軽い調子で紗弥の太ももに手をやり、指でリズムを刻みはじめる。
最初は冗談めいたやりとりだったが、繰り返される接触の中で、紗弥は次第に身体の違和感を意識し始めてしまう。
実央の態度は変わらないまま、触れ方だけがわずかに内側へと寄り、紗弥の反応も抑えきれなくなっていく。
戸惑いながらも言葉にできず耐えていた紗弥だったが、ついに静かに「……もっと、して」と口にしてしまう。
その一言で、ふたりの関係は曖昧な遊びの域を越え、触れることを前提とした時間へと移っていく……変わらない日常で、少し内側に触れてしまった物語。
A5/63ページ、12000文字。
本作品は電子小説です。
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作品内のキャラクターのセリフや思考などの参考、表紙画像にAIを一部使用しております。