第四資料室報告書 第2号 御神渡? ー四皇子塚ー
第四資料室 明治期から綴られてきた断片資料の余白に、小さく残された「御神渡?」の文字。それは本来存在しないはずの記録だった。
四皇子塚周辺では、一定の間隔で掘削痕が現れては消えるという不可解な報告が繰り返されている。
前任担当者はその現象を「線」と呼び、やがて理由を語らぬまま職場を去った。
廃棄候補となった資料の確認を命じられた第四資料室係の〈ぼく〉は、高千穂の地へ向かう。
現地で確認されたのは掘削の痕跡が存在しないという事実だった。
しかし墓地で見つけた“削られた線”が、資料の消し跡と静かに重なったとき、記録は廃棄ではなく保存へと傾き始める。
誰が線を引き、なぜ途中で消すことをやめたのか――日常の業務の隙間に現れる、小さな揺らぎの報告書。
※サンプルのイラストは一部AI生成を利用しています。