朝の光が待てなくて

此花
迫害。
虐待。
罵声。
孤立。
生きるのが辛くて。
心が崩れそうで。
禁忌である事を知りつつ、阿部美香はぬくもりを求め弟と肌を重ね合わせた。
いつか訪れる春を夢見ながら刹那の快楽に溺れ続けた。
しかし、現実は刻一刻と悪化するばかり。
そして美香自身、近親相姦という背徳感に日々悩み続けていた。