内側の世界(インサイド・ワールド)I‐旅立ち‐

天乃大智
物語の舞台となるのは、内側の世界(インサイド・ワールド)と呼ばれる魔界と、人間の住む外側の世界(地球)である。
天帝の君臨する魔界を主として物語は進められ、<外側の視点>によって描こうとしている。
その為、魔界はシャングリラとなり、魔界における社会システムは地球の社会システムへの批判としての意味を持つに至る。
利己心を捨て慈悲の心によって社会が運営されている点は、地球の資本主義国家とは、大きな隔たりがある。
聖魔天鬼を中心とするグループと、魔王サタネルの悪魔や鬼獣、悪鬼などのグループの戦いを中心に、物語は展開するが、悪魔などは人間とは無関係な魔物ではないのである。
悪魔などの前身はすべて人間である。
聖魔が戦いの相手にしているのは、人間の中の醜悪な部分である。
聖魔たちは、人間の進化に力を貸そうというのである。
人類の行く末を暗示する物語である。