TWADの物語Vol.1

因果堂Type-I.G.
ガードレールをのりこえ、道路に転落した自分はとても危険な状態だったと思う。
車のブレーキ音と全身をなにか重いものに踏みつけられたような衝撃は知覚できた。
ただ一つ、目が覚めたら何かいいことがあって、楽になれるかもしれない。
眠るときに決まって思う、そんな願望だけがあった。
「起きなさい」真冬の朝にガラス細工を銀の食器でたたいたような、冷たい声が僕を呼んでいた。
目を開けると、僕が見つけたのは夕焼けだった。
けれど、そのすべてがどこか薄っぺらくて嘘くさくて。
不機嫌そうに眉をひそめている少女にきづくのが、ずいぶん遅れてしまった。
「ようこそTWADへ」━━少女はここが死後の世界だと言った。
それは死後の世界で描かれる、とてもささやかな、そして少しかなしい恋の物語。