シアーハートブレイク

猫屋
長編、オリジナル小説。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::僕たちが最後に過ごした夜、彼女は言った。
「どうしたら、一方通行の流れに放ったものを、自分の所へと持って行くことができるかしら」「ループさせる」十秒くらい考えた僕は、そう答えた。
彼女は僕の返答に満足したようで、微笑む。
「そうですね。
貴女と私の考えることは、やっぱり似ています。
ではわかっているはず。
ループして帰ってきたものは、既に変質し、同じものになっていると。
水が雲になって雨となりまた水に戻るように、経済社会におけるお金のように、人の思いもまた、自分へと帰ってくる頃には同じ思いになって、また私たちはそれを投げ返さずに、同じ流れへと投じるのだと」