Fate/sidemoon
NightShifts 聖杯戦争……それは、唯一つの聖杯と呼ばれる願望器を手に入れるための“儀式”。参加するは七人の魔術師。
対して、奇跡を享ける杯は、唯一つ。
それぞれ魔術師たちは、七人の使い魔と契約し、己が望みを叶える為、聖杯を奪い合う。
ある者は富を。
ある者は力を。
またある者は、永遠の命を求めて。
奇跡を手にする条件はただ一つ。
己が、最強であることを証明する事のみ。
故に、儀式は壮絶な殺し合いへと、ことごとくその姿を変えてきた。
必要な駒は揃い、戦いは始まる。
その聖杯に、一つの願いを託す者がいる。
かつては吸血鬼により不死の体になった女。
彼女は願う。
白い姫君の眷属になってしまった恋人を人間に戻す為に。
その力が、手に入るとは思わない。
しかし、願わずにはいられない。
聖杯からこぼれる力を、一掬いでも、得ることが出来たなら。
一縷の望み、かすかな希望を胸に、彼と、彼女。
そして、彼を吸血鬼にした白き姫君と共に、聖杯戦争の舞台へと歩み出す。
役者は此処に、白き月のもと、運命の夜に飛び込む。