Toayouside2nd-羊は安らかに草を食み-
生まれたての風 平和な町で起きた、連続通り魔事件。犯人と命懸けの真剣勝負を行い、少年は負傷。
病院へと担ぎ込まれる。
傷の痛みと己の弱さに苦しむ少年に、心優しき医者との出逢いが待っていた。
「初めまして、宮本さん。
貴方の担当医となります。
今日からよろしくお願いしますね」他人を拒絶する少年に、美しい女医は他人を信じる大切さを教える。
「人は、一人では生きてはいけませんよ良介さんにだって、お友達がいるでしょう」独りで生きてきた少年は、首を振る――躊躇いを感じながらも。
身体も心も他人に温められて、剣の傷が癒えていく。
確かなものが、芽生えつつあった。