みんな幽霊になった島さち子
グループゼロ もうすぐ、我慢できなくなる、何も着ていない、周りの人の方がよりぴったりと、こちらの服に密着している。彼らが着ているのだ。
わたしは丸裸、柔らかな窪みでふるえ、四方を見回してすくんでいる。
隠れよう、隠れている、自分の服を着ており、周りのものの服まで着ている。
いや、周りのものが、わたしの骨をアクセサリーにして飾っている。
かすかに暗い一本の傷あと、それがわたしなのだ。
通勤途中、自分の意志も信念もなく闘争に巻き込まれていく、これは、人間行動から捕えた、誰かたちの鮮烈な闘争物語である。
底を流れるユーモア、溢れ返る鮮烈なイメージをあなたに!!