わたしの部屋の知らない距離のなかで島さち子
グループゼロ うっすらと目をあけると、障子の桟が、黒く膨らんで見え、輪をつないだ漫画じみたものが、アニメーションになって、ひょこひょこ動きまわるのが見えた。起き上がった。
何気なく歩き出したけれども、動作と意識が違う。
自分の部屋のなかで、砂漠をいく旅人のように、歩き、疲れては休んだ。
巣くっている彼らだけでなく、わたしの部屋の距離が変わってしまったのだ。
この部屋に、彼はオートバイを持ち込み、人々はハシゴから、どんどん、部屋に乗り込んでくる。
足の不自由な女性の心理を描いた、この抜群の表現力、構想力をあなたに!!