白を踊れ島さち子

グループゼロ
誰が、わたしをかたって死んだの?自分が死んでいるという、すっぱさが胸にくる。
大雪のなかでは、それがそんなに大事件だとは、とても考えられない。
祖父は死体がわたしでないと認めるだろう。
いや、死体は面がわりする、祖父は死体がわたしだと認めるだろう。
誰もわたしがわたしであることを認めてはくれないのだ。
わたしに蘇生はあるのだろうか?もう一度、二度目の生涯を探し出すか、つくり出すかしなければならない。
忘れなければならないのは、一生目。
二生目の服を身につけても、復習でもするように、以前とそっくりの皺をつくることになりはしないか‥‥。
現代文明の中での自己喪失をテーマに、自からの存在を追及した、イメージ小説です。