私と彼女-異・生・愛-小説版

6COLORS
それは、降り落ちる雨が導く物語。
家業の手伝いから学園でのもろもろまで、陽の下で生きることが日々の少女、真岡みのりと、秘めた想いが、美しく整ったヴェールから覗いてやまない転校生、三瀬佳澄と。
二人の出会いは、駅前からの帰り道、共にした一本の傘の下。
肩を並べ、腕を組んで歩くわずかな時の間に交わした言葉の内側で、ひっそりと芽生えていた想いは、やがて深い色合いへと変わっていく。
「女の子同士なのに……、でも、確かに私は、彼女を……」みのりの持つ、紛れのない想いの強さは、秘めていた佳澄の心に、光りを灯す。
そしてそれは、祭りの夜の鮮烈な一瞬を超えて、夏の日の逢瀬へと……。
それは、禁忌でもモノトーンの愛欲でもなく、誰もが歩み出す、小さな恋の物語。
けれど、その小さな始まりは、いつか人生の航路も定め、心の内の大海を、豊かで柔らかい潮で満たしていく。
『あの時、一番恋したい私がいて、あなたがいた。
だから―――』女の子同士の心と身体の求め合いを官能的に綴りながら、絆の深まりと成長を追う、ゆるやかな時の流れを追う、同性純愛官能小説。
2008年に第一章を販売した同名のセミシネマの、原作完全版です。