アルストロメリア

B@dLuckers
夢を見た。
夢の内容は忘れてしまった。
なんてことない夢だった。
けれども、それが何故だか妙に気になった。
その日、クラスに転校生が来た。
大人しそうな女の子だった。
その子が妙に気になったのは、一目惚れだったのか。
それともただの好奇心なのか。
ともかく俺は、その子に興味が沸いていた。
その日の放課後、屋上でその子に出会った。
本当に偶然だった。
けれども、それは必然だったのかもしれない。
そこでキスをした。
事故だった。
けれどもキスをしたという事実に変わりはない。
焦る俺に彼女は言った。
「ちょっとは、……思い出した?」――僕は、その意味を理解することができなかった。