少年オロカと不思議の森
Circletempo 物語の主人公クレハ・E・ウッドは、恐怖映画制作会社・ポルターピクチャーズ広報部で働く幽霊。広報部の仕事は当然、映画制作課が制作した映画のPRである。
しかし幽霊映画界の巨匠クランクイン・リンチに憧れる彼女は、映画広報の仕事そっちのけで自主制作映画の撮影しては副社長のレムリから怒られる、冴えない日々を送っていた。
一方その頃、人気のないかえるの森に足を向ける4人の姿があった。
冒険団「ノワールボリス隊」の三名と、そのクラスメイトの少年オロカである。
ノワールボリス隊は、オロカが目撃したという怪物「ジャイアントフット」の真相を確かめるべく、この森に足を踏み入れたのだ。
ジャイアントフットの存在を信じて止まないオロカをからかうノワールボリス隊は、誤ってオロカを森の険しい斜面へと突き落としてしまう……。
目を覚ました先には、大きな湖――エス湖――があった。
オロカはそこで、会社の連中への愚痴を漏らしていたクレハと出会う。
本当なら人間は幽霊の姿を見ることも、触ることも出来ないのに……どうやらオロカは、少しだけ特別な存在になってしまったらしい。
その特異性を見抜いたクレハの目が、キラリと光る。
「もしかしたら、この少年をうまいこと利用すれば……上手くいけばポルターピクチャーズの連中を納得させる…いや、全霊界の話題を独占してしまうような傑作が撮れるかもしれない」と……。