虐めのロンド子宮脱連鎖
メランコル 目が覚めると知らない部屋のベッドの上にいた。廃墟か廃屋か、多分そういう場所。
義足と義眼は取り外されてる。
両腕は後ろ手に縛られていて、義足も無いから起き上がることは出来ない。
私は服を着ていなくて、子宮があらわになっている。
私の子宮が”こう”なってしまったのがいつからなのかは分からない。
私には事故より前の記憶がないから。
事故から目覚めた時、私の子宮はすでにこうだった。
右目と右足がなくなっていて、子宮は身体の外に出ていた。
部屋の外、ひとつ足音が近づいてくる。
見知らぬ少女が部屋に入ってきて、おもむろに私の子宮に指を突き入れる。
「あなたが一体どんな人間だったのか、教えてあげる」私は一体、どんな人間だったのだろう性的なイジメによって子宮脱になってしまった二人の少女。
その関係は失われた記憶の向こう。
真実はいつだって優しくなんか無い。
人が致命的に壊れるのはとても簡単で、壊れた少女は、やはり別の誰かを壊さずにはいられない。
悪魔と生贄。
そんな単純な話なら、どんなにか幸せだったのに。
愛する事と憎む事って、似てるんだ。
その人の事が頭から離れなくて、その人の事しか考えられなくて、どれだけ考えたって、余計苦しくなるだけなのに、ね。
失われた記憶の向こう、残響音を手繰って私達は何を見つけるだろう。
世界はいつだって残酷だ。
だから、この小さなぬくもりが、こんなにも憎くて、こんなにも、愛おしい。