アーアイル40

アーアイル
.八九○真宵は、十年前の怪異に成り立ての頃、1人のオジサンと行き遭った。
迷子の少女に優しく声をかけてくる男なんて、たいていの場合、ろくでもない人間に決まっている。
「ラララギさん」と知り合ってからというもの、八九○真宵はその自説が正しかったと、確信を深めた。
今思えばあのオジサンも、家に帰りたくなかった、ということなのだろうか。
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