Duvet/thetrueside

作家椿
生きるための原動力とは何か。
それをまず私は諸氏に問いたい。
明日を迎えること、そのまた明日を迎えるための原動力とは何か、ということを。
百人百様の生きるための原動力……そのいずれも、私にはもっとも望ましい物かは判然としない。
信仰に生きる人間は信仰こそが正しい道であると説くだろうし、快楽をむさぼる人間はその快楽こそが活力たり得ると思う。
だが、これから語る物語は、百人がいれば百人ともが否定するであろう事を、生きるための原動力にしていた少女の物語である。
数枚のコインと、それから少しばかり眺めにお時間を頂き、さらにはあなたの常識をも揺るがす中編。