淫魔師イクブスー生真面目な書記官

L同盟
寸分の隙も無く、きっちりと艶やかな深緑色の髪を結い上げ、しわや埃の一つも無い衣を身に纏った書記官マールは、一定のリズムを保って城内を進み、地下へ続く階段を下りて扉をノックした。
「騎士団長イグシオ様より、イクブス様の元へ薬を取りに行くようにと命じられてまいりました」ぼんやりと部屋のそこここで発光している青白い光を受けて、背中まである星降る夜空を思わせる藍色の髪を揺らし、部屋の主であるイクブスが月光のように白い顔に笑みを浮かべた。
「それはそれは、ご苦労様です。
どうぞ、おかけになってお待ちください」「いいえ。
書記官風情が、皇帝魔導師であらせられるイクブス様の部屋で、くつろぐわけにもまいりませんので」「座るだけなんですがねぇ。
いつもそんなふうでは、肩が凝りませんか。
もう少しくだけても、良いと思うんですがねぇ」「もとより、こういう人間ですので」ふうむ、とイクブスはマールを見て、悪戯の光を目に宿した。
「では、くだけ方というか、気の抜き方を強制的に教えて差し上げましょう」「え」「お渡しするものが完成するまでの、ほんの戯れですよ」そして「この子たちと遊んで、身も心も解すことを覚えて帰るといいですよ」一糸纏わぬマールの肌に、スライムが絡む。
すらりとした四肢がスライムの粘膜で濡れ、室内の淡い光りを反射して妖しく輝いていた。
「ぅぐっ、んぶっ、うううううっ」口内のスライムが、いきなり激しく蠢いた。
舌を吸われて口腔をなぶられ、喉奥を突かれたマールが、息苦しさに涙を浮かべる。
「おぶっ、ぐぅうっ」やがてマールは――――