オタクの源流
紅屋妙人 オタク文化はバブル崩壊後の危機の中で発展したものですが、しかし、突然変異的に生まれたものではありません。日本の場合には、既に江戸時代にバーチャルなエロスを楽しむという文化が芽生えており、それが、戦前においても、秘密出版という形で保存されておりました。
戦後、検閲制度が廃止され、これらの秘密出版がカストリ雑誌の形で刊行され、その中から、団鬼六や沼正三という作家が世に出るようになりました。
こういう作家と絵師たちが日本独自のエロスの世界を作り上げ、バブル崩壊後は、そのエロスの世界が一気にデジタル化され、世界に広がっていくこととなりました。
今回はそういうオタク文化の源流を紹介させていただきます。
目次はじめに3一.明治のオタク10二.浮世絵というエロチックな存在18三.明治の春画浮世絵を引き継ぐ者33四.秘密出版で続く伝統48五.カストリ雑誌と奇譚クラブ67六.沼正三と団鬼六「家畜人ヤプー」と「花と蛇」76七.ガンダ○とエロアニメ88全105ページパブリックドメインの挿絵18枚3Dカスタム少女で作成した挿絵3枚字数15000字