触手姫の疵
霧 処女。高飛車。
人を射殺す視線。
そんな王女の愉しみは、触手と遊戯することだった……触手に肌を弄ばれることは、単に性的な興奮をもたらすだけではない。
肌を、肉体を、誰も到達し得なかった高みにまで突き上げるものである。
性の快楽の中に人は死に、王女は快樂に嗤い、彼らの身体は融け合ってひとつとなる。
触手が王女を包み込む鎧となるとき、快樂は完成し、快樂ではなくなる。
王女は王女であり、王女でなくなる。
性を新たな高みにまで押し上げた、異色短編小説。
文字数:9000字程度。
A5版24ページ。