ワンサイド・ライプチェリー

ことのね館
――きっと、春が放つキラキラした何かが集まって、それが桜に恋をさせてしまうのだ。
体育の準備体操。
いつも一人一組だったサクラの前に現れた二人一組の相手、ハル。
「ねぇ、どうしてわたしを選んでくれたの?」夢で繰り返される、ハルに対する答えのない質問。
現実でつのりゆく、ハルに対するあやまちの恋心。
――『好き』って、いったいなんなのだろう。
それをつぶやいてしまうほど、目の前にいたはずのハルはどんどんわたしのもとから遠ざかってゆく。
桜舞い散る、卒業式当日。
明かされる、ハルがサクラを選んだ本当の理由は……。
※この作品はGLFes13に際して発行したものの電子版です。