ずっとそばで、失いたいの。

ことのね館
――わたしが失うことを恐れる唯一のものといえば、友奈ちゃんに対して抱く、この恋心ぐらいのものだった。
「あぁ、友奈ちゃん……もっと触って。
もっともっと、わたしのそばにいるって、わたしに伝えて」『満開』の後遺症により両目の視力を失った東郷は、友奈の存在を確かめる手段として、より親密な触れ合いを求めるようになる。
「うん、東郷さん……ここにいるよ。
私、こんなに近くにいるからね」毎日のように肌を重ねるうちに、初めは一方的だった交わりも、双方的な交わりへと変化してゆく。
そんな中、バーテックスとの戦闘で『満開』を繰り返し、さらに不自由になってゆく東郷。
自分だけ犠牲になろうとする彼女を見かねた友奈は、その真意を問いただすのだが……。
※この作品はGLFes13に際して発行したものの電子版です。