帰郷の記憶

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かつて交易で栄えた王国があった。
かの国の名はアルム諸島連合王国。
しかしその栄華も長くは続かなかった。
突如として襲い掛かった、巨大な地震により王国は滅亡した。
地震による津波と地割れによって、多くの船が沈み、地は裂け家は崩れ人々は逃げ惑った。
無力なる民は島からの脱出を余儀なくされたが、生きて島を離れられたのは一握りだけであった。
悲劇の王国は、平穏なる日々に終わりを告げ、歴史の舞台に幕を閉じるかの如く深い霧の中に消えていった。
それから50年、長い沈黙を破り霧が晴れたと言う。
その報はかつての島の生き残りに伝えられた。