バイト先のバツイチ

如月むつき
昭和54年頃の話。
僕は東京都狛江市に下宿して大学に通っていた。
仕送りが月に4万円の貧乏学生だった僕は、まかない付きの居酒屋でバイトをしていた。
そこにある日、オーナーの奥さんのお姉さんが住み込みで働き始めた。
中学に上がったばかりの息子がいるシャキシャキとした姉御肌のバツイチの女性…年のころ40歳くらい…。
20才も年上の女性に女を感じることの無い僕だったが、店の忘年会でお酒が入ったときにお姉さんがふと漏らした言葉「やっちゃんとなら…してもいいな」の言葉、その日を境にお姉さんを女として意識しはじめてしまった。
意識してみるとお姉さんって魅力的…数日後…僕は思い切ってお姉さんに手紙を渡しました。
「僕…女性を知らないんです…僕でよかったら…教えて下さい…」匂いたつ大人の女性との初めての経験…そう…お姉さんは僕の始めての人…甘酸っぱい如月むつきの昭和の思い出…。