カンガルーの一生

オナラプップー
もう何もかもどうでもよくなってしまった。
どうして僕は今こんなことをされているのかとか、どうして僕は生かされているのかとか、どうして僕は今ここにいるのとか、どうでもいいどうやら僕は大切にされているみたいだし、何も考えることもないし、悩む必要もない。
もう僕に与えられる選択肢はない、もう僕に自分で決められる選択肢はない、もう僕に…もう僕が僕であるだけの力は残ってない。
僕がこんな風になってしまってからどれくらいの時がたったのだろうか、一年かもしれないし、十年かもしれないし、百年かもしれないし、もしくはもっと…ええと、もっともっとかもしれない、得体のしれない離乳食のようなどろどろしたものを食べさせられ、おしっこもうんちも垂れ流しオムツを代えてもらい、ペニスをしごいてもらって射精を手伝ってもらい、たまに知らない子と交尾をする。
そんな、常に何者かの肌に密着した毎日。
今までずっとその繰り返しで、多分これからもずっとそうなのだろう、こんな生活が幸せかどうかと聞かれたら、わからないただ気持ちいいだけで、もしも気持ちいいことが幸せと変わりのないものだったとしたら、きっと僕は幸せなのだろう。
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