卵の鍵
ハソユア 奥地に隠れ潜むように築かれた集落。そこに住むのは、今の時代では表に出られない異能を持つ一族である。
かつては「卵の鍵」と呼ばれる秘宝を代々受け継ぎながら暮らしていた彼らだったが、数十年前に宝を奪われてからは、意味のなくなった掟を無為に守りながら暮らす日々。
その集落において「真姫」として扱われ、丁重に扱われる主人公・セラフィナ。
だがそんな集落に一通の手紙が届く。
それは一族が隠れ潜むことに異を唱え、集落を抜け出した少女・アンジュからのもの。
「卵の鍵を見つけ出した。
真姫と私でどちらが卵の鍵を持ち帰ることができるか、勝負を行わせろ。
そして私が勝利した場合、私を真姫とし、更に指導者と認めろ。
認めないのであれば、卵の鍵は勝手に持ち去る」この手紙を見た長老達は仰天したものの、卵の鍵を取り戻す好機を逃すことはできず、要求通りにセラフィナをアンジュの元へと向かわせるのだった。
卵の鍵があるという場所は一大オークションを行う予定の商業都市、ミラド。
多数の人間が集まるこの都市で、セラフィナははたして……