めばえ

アノマロカリス
日々の生活に疲れたあなたは、フラッとある田舎町へと足を向けた。
そこはとても懐かしく、そして何もない、あなたが求めていた場所だった。
熱中症ではないかと声をかけてきたのは、ポニーテールの少女。
汗を額に滲ませながら、笑顔であなたに懐いてくる。
めばえと名乗るその少女にあなたはどこかで逢ったような気がするがどうしても思い出せない。
小さな手があなたの手を掴む。
忘れたいけど忘れたくない夏を、今もう一度…