無垢な蝶はその蜘蛛の巣へ静かに堕ちる
ぷらすた 魔術を学ぶため魔術学院のある王都での暮らし始めた地方領主の四男カルノ。生活に慣れてきたある日、迷い込んだ下層で一人の同年代の女性と出会う。
セリシアという名のその女性は、カルノの知らない魔術を使い、学院の学徒とは比較にならない知識を持つ人物だった。
彼女の父が残した研究記録を見るため彼女に家へ通ううち、互いを意識し始めた二人は恋人同士となる。
セリシアとの関係を深め、充実した毎日を送るカルノは、学院での成果も認められはじめ、賢者と呼ばれる学園の権力者グスカールと知り合い、師弟ともいえる関係を築く。
だがその出会いによって、引き返すことのできない道へ踏み込んだことをカルノとセリシアの二人は気づいていなかった。