あやかし奇譚~好奇心旺盛なダウナー座敷童~
ねこのしっぽ 深夜、大きな物音に目を覚まし、物音のした部屋にゆっくり近づくと…そこにいたのは着物姿の少女でした。「……あれ?見えているのか?」「……えっと……口がパクパクしているな」「結構驚いているのか」「私は……うーん……なんと説明すればいいんだ……あっ……」驚きのあまり卒倒してしまい、次に意識を取り戻したのは、少女の膝の上でした。
膝枕で頭を撫でられながら寝ていたようです。
「あ、起きた」「……何も気絶しなくていいだろう」「私までびっくりした」呟くような声音で淡々と話す少女。
色々と質問を投げかけてもいまいち要領を得ず、困惑していると少女は自分の正体を語りだします。
見た目は少女だが子供ではない。
ついでに言えば人間でもない。
貴方よりは遥に長生きしていること……。
「……そうだな、わかりやすく言えば妖怪だ」わけがわからず目を白黒させていると、少女はこの部屋に縛られたから一緒に住むと告げてきます。
追い出すと大変なことになるという一言を添えて。
そんなわけないと思いつつも、一度気にしてしまうと怖くなってしまうのが人間。
釈然としないものを抱えつつも承諾すると、少女はあれこれと要求しだします。
図々しさに呆れていると、これくらいは当然のもてなしと少し怒ったように少女。
改めて少女に正体を聞くと、そういえば言ってなかったとあっさりと正体を告げます。
「では改めて、座敷童だ」「これからお世話になるぞ」ひょんなことから招き入れてしまった、好奇心旺盛な座敷童との共同生活。
どうぞお楽しみくださいませ。