甘く、蕩けるように支配されて…
ティッシュ箱 教会に放浪のシスターが滞在して、しばらく経つ。人当たりが良くて、老若男女誰に対しても優しく、そして美人。
俺は、そういう“嫌う理由がない”彼女が苦手だ。
そんなだから生まれてこの方、恋人すらいた事のない人生なわけで、だからといって不自由もないし、童貞のまま死んでいくんだろう。
そう考えていた。
今日を迎えるまでは。
「こんにちわ」休憩中、甘い声に顔を上げるといつもの修道服に身を包んだ彼女の姿があった。
雑談などする気もなく、挨拶も早々に立ち去ろうと腰を上げる。
「私は何か嫌われるような事をしてしまいましたか…?」そんな彼女の、普段は見せない申し訳なさそうな顔につい動揺してしまい伝えるべき理由の言葉を選んでしまう。
女性経験がなく、どう接すればいいのか分からない、と。
小恥ずかしい気持ちだが、隠すような事ではない。
「まぁ。
嫌われていたわけではなかったのですね。
良かったです」彼女の穏やかな笑みに落ち着くもふいに伸びてきた彼女の、少し冷たく白い滑らかな指先が俺の頬に触れ、目を見張ってしまう。
見つめる瞳には妖艶な光を灯し、しっとりとした唇に舌を這わせ、大きく柔らかな胸が形を変えるほど押し付けられる。
ゆっくりと、しかし確実に、彼女の支配は始まった…。
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