メチルホスホニルジフルオリド

ソビエタツ珍邦
『少年の憧れは、炎色反応にも似て―。
』かつて近所に住み、幼い頃から親交のあった犬系お姉さんの【ドク】彼女を慕いよく懐いていた少年【ケンジ】が、自身の抱く感情こそ"恋"であると気づいたのは【ドク】が"薬殺師"を目指し、世界の外側へと旅立ってからであった。
―それから数年。
背丈も伸び、あどけなさが残りながらも、別れを知って大人への階段を上り始めた【ケンジ】そんな日常の最中、突然目の前にあらわれたのはあの日見送ったはずのお姉さんだった。
心の内に押し潜めた感情が、年月の隙間に流れ込む。
燃え上がる少年の"恋花火"は、何色の輝きを見せるのだろうか。