菅野契 短編小説集

すがのわーくす
瀕死状態かな、とわたしは思ったの。
 わたしの名前はマイ、2892年からこの時代にとある事情でやってきた女の子。
 わたしの持っているヴィルセガールは2体まで破壊された。
ヨシミはこのことに気づいていたけど、他の子たちの援護に回らなくてはならなかったから、もうあと1体しかないわ。
 このあたりの地形は戦闘には向いていない。
でも版車和光の指示通り、ここにいるスバックダンデを倒さないと、私たちのいる時間にまた黙示録を訪れさせることになる。
 それは避けたかった。
 「マイ、右のヴァンスを任せてもいい?」 ヨシミの静かな低い声。
確かにもう私たちにはあとがない。
 「了解です。
」 私のスピンは3度、ヴァンスにかわされた。
この時点で消費したロッドは6、残り・・・(「近未来のマイ」より抜粋)