上書きメイド

まどろみ行灯
「お金をもらえるなら何も文句は無いわ」貧乏な村に生まれた家には母とまだ小さい弟と妹が何人もいるどうしてもお金が必要で働きに出た最初は金持ちのおばあさんだったいじわるでよく叩かれたしかも足元を見られ報酬は少なかったけど無いよりは良い我慢するしかないそんなある日「いやぁ実に良い買い物をした」男は前の主人から私を買ったそして私にも高い金を支払うと約束して仕事を二つ用意してくれた一つは男の身の回りの世話と館の手入れ普通のメイドとしての仕事だこれだけでも前より数倍の報酬を貰えるそしてもう一つは男の子供を産む事だったこっちの報酬は数字が大き過ぎてよくわからない少なくとも家族が食べ物に困る事は無くなるこの先ずっと「返事はすぐにじゃなくてもいいよ」「いえ、今決めるわ」私は迷わず両方やると男に伝えた