【キス・耳舐め】うたかたの宿 萌月の懇親【バイノーラル・癒やし】

ウタカタ
■プロローグ季節は萌月。
新しい年がはじまり冬の寒さがいちばん厳しい季節。
男は宿の予約をしていた。
雪がこんもりと降り積もり、しんしんと静寂だけが支配するあの田舎町。
新年で冬を堪能するならと心に決めていた。
暖房が僅かにきいたバスから降り立つと、思わず寒さに身体が身震いする。
白く吐く息と肺に入る冷たい空気に嬉しさを感じていると、女性が一人声をかけてきた。
【椿】「どうも。
御無沙汰しております、旦那様。
椿です。
……面食らった顔をしてますね、もしかして私のことをお忘れですか?……ふふ、冗談ですよ。
」【椿】「しばらくぶりですね。
数えで1年半でしょうか。
七夕のあの日以来となります。
お互いにすれ違いが多かったみたいですね。
運良くご予約の日を得ることができました」【椿】「というのも、1月は雪深いですから……しばらく戻ってこない子なども多くて、っと。
立ち止まって会話は、お体が冷えますよね。
お宿まで歩きながらしましょうか」