遺品整理(祖父×孫)

田村十百朗
祖父が死んだ――。
忙しい人で、家にいる祖父の記憶が僕にはあまりないが、姉のチエミは、僕なんかよりも、よっぽどショックを受け、悲しみに暮れているだろう。
四十九日を過ぎた今でも、毎日祖父の写真の前で手を合わせている。
生前の祖父の、どんな思い出をめぐらせているのだろうか。
そんな祖父の遺品整理を、両親の頼みで手伝うことになったのだが、僕はそこで、「見てしまった」。
祖父の書斎にある、大量の書籍(難解な学術書の類い)を、地元の図書館に寄贈するため整理していた時だった。
無造作に手にした本の間から、厚さ3センチほどの封筒が零れ落ちた。
中身は写真の束であり――、そこには祖父と、昔の姉が映っていた――。
●収録画像サイズ:横1800×縦2400pix形式:jpg枚数:本編(差分画像含め)79枚(全編テキストあり)テキストなしバージョン同梱79枚その他・表紙など2枚