ネジレ

えん
世界がネジレる…僕の見ている世界がネジレ始める。
それは、衝撃的な言葉だった。
湯煙学園(ゆけむりがくえん)で学生生活を送っていた僕の前に突然現れた、捜査官、玉虫夕鶴の言葉がそれだった。
そして彼女の説明によると、この世界にはネジレという未知の力が存在していて、その力が極まれに、人間の強い感情と結びつくことによって、その人の思い描いた世界が広がっていき、やがてそれが歴史を作っていく。
それは、よく知られている歴史上の英雄達がそうだったのではないか、と彼女は言うが、その関係は未だ解明されていないらしい。
そしてネジレは、世界を巻き込みネジレていった結果、人間の次の進化へと進むステップなのか、それとも破滅なのか…それはまだ解っていないらしい。
それを調査し、調べている組織…マレビト。
それも極秘の組織で、ネジレの力を研究し、未然にネジレを防ぐ組織から派遣された捜査官で、この縁川で6つのネジレを見つけたから、それの調査に協力してほしい、と言うことみたいだ。
僕が選ばれた理由は、僕にもネジレの力があると言うことで、決まったらしい。
コレは彼女の仮説らしいけど、ネジレには、他のネジレを引き寄せる習性があるんじゃないかもしれない、だから僕が調査をするのが、都合がいいという事みたいだ。
彼女から言い渡された期間は、一ヶ月。
それを越えると、ネジレを持っている人間全員を、殺さなければならない…今のところそれが、ネジレを防ぐ一番の方法らしいから…でも、ネジレと結びついた感情の起源が解れば、もしかしたら、ネジレを解くことができるかもしれない…それにかけてみたいから…と彼女は、僕に言った。
こうして僕と、彼女の一ヶ月限定の奇妙な同居生活が始まった。