処女宮~栗毛の潮吹き少女たち~
mini 聖マリエル女学院。友原春菜は、仲の良い友達や後輩に恵まれ、それなりに楽しい学院生活を送っていた。
そして卒業式も近いある日、彼女は後輩から一冊の本を渡される。
内容は、女の子同士の激しい恋愛を描いた小説。
規律の厳しい学院内にあって、それは禁書とも言うべき存在だった。
初めて知る世界に戸惑いながらも、胸の奥に何かが芽生えるのを感じる春菜。
「こんなの、イケナイ事なのに……」本の事が気にかかり、生活のペースが乱れてゆく。
そして、あろう事かその本を教室に置きっぱなしにしてしまった。
「誰も見ていませんように……」神様に祈りつつ教室の扉を開ける。
そこには、本を読んでいる幼い少女が一人いた。
その、ひたむきな様子からは崇高ささえ感じられる。
しかし、少女が読んでいるその本は、その本は……。
呆然とする春菜に、不意に少女が問いかける。
「これ、あなたの?」「……」何も言えず、頷くことしか出来ない春菜。
少女が近づく。
身体が動かない。
「あの……」見知らぬ少女に呼びかけようとしたその時、「!?」夕日が差し込む教室で、春菜と少女は口付けを交わしていた。
時を同じくして、囁かれ始める一つの噂……「処女検査」。
聖堂内にあるという、異端者を尋問する部屋での身体検査。
堕天使に惑わされ、色欲の虜となった生徒の粛清。
数年前に行方不明となったという女生徒の話。
同じことの繰り返しと思っていた日常が、急速に動き出す。
膨らみかけの蕾のような少女の身体に、性の洗礼が襲いかかる。