星空ぷらねっと~夢箱~
D.O. 子供の頃、夢を持っていた。あの空の向こうにあるものを夢想して、いつかそこへ行ってみたいと思っていた。
子供の頃、仲間がいた。
関西弁のいじめっ子。
真面目で強気な学級委員。
面倒見の良いお姉さん。
無口でちょっぴり変な女の子。
生意気で騒々しい元気っ子。
そして……笑顔を忘れた女の子。
6人の仲間と過ごす日々。
いろんな事があったけど、それでも毎日が楽しかった。
でも。
運命のあの日、僕は、耳をろうする轟音、視界を埋め尽くす白い光、あらゆる物を吹き飛ばす強烈な爆風と共に、大切な人と夢を失った……。
あれから7年。
一度離れた思い出の街に、僕は再び戻ってきた。
7年前とは微妙に異なる街並み。
7年前とは異なる仲間達との関係。
水島慎太郎――。
相馬蘭子――。
真田恭子――。
藤原佳多奈――。
山本ゆかり――。
空白の歳月を経て再会した僕らは、7年前と同じようには付き合えなくなっていた。
そして最後の一人。
星見瞳――。
一度も笑顔を見せたことがない彼女は、別れ際にこう言った。
『今度会うときは、笑ってみる』でも、そのとき僕は、笑い返せるのだろうか?夢は……失ったまま。
あの日から僕は、空を見上げることをやめた。
それは思い出すのが辛いから。
変化を望まず、毎日を流れるままに過ごす僕は、今日も私立友愛学園の門をくぐる。
そして季節は春。
新しい季節。
しかし夢を忘れた僕は、日常に巻き込まれていた僕は、再び彼女と再開する。
笑顔を見せなかった少女は、とびっきりの笑顔で僕に抱きついてきた。
何もかもが変わってしまった今、僕は再び夢を取り戻すことが、夢を現実とすることが、果たしてできるのだろうか?そして僕は空を見上げる――