南国あばんちゅ~る
トラヴュランス 俺は三田恭介(みたきょうすけ)、どこにでもいる普通の学生。……しかし今の俺の気分は最低に沈みきっている。
あこがれていた我校一の美少女である森山さんに、玉砕覚悟で告白しようとした俺。
しかし彼女にはすでに付き合っている彼が居たんだ……季節は夏、これからあわよくば彼女と楽しい夏休みを……そう考えていた俺の目論見はあっさりと崩れ去り、今ではすっかりブルーな夏になりそうな予感……そんなある日、俺の家に叔母の麻子(あさこ)さんが訪ねて来た。
叔母と言っても彼女はまだ二十代の若さだし、実はもう本当は叔母じゃない。
俺の叔父と結婚したものの、叔父は若くして他界。
親戚連中はまだ若い叔母の事を考え、いったん籍を抜いたのだ。
いつでもやり直せると言う配慮だったのだが、叔母は苗字が戻ってしまった今も、何くれとなく俺らを訪ねてくれる。
そんな叔母、麻子さんに俺はちょっとだけ憧れていた……叔母は今結構売れセンのカメラマン。
いつもあちこち飛び回っている様で、最近はすっかりご無沙汰だった。
しかしそんな風に落ち込む俺に、麻子さんは突然こんなことを言い出した。
「ここは一つ、南の島にでも行って、ストレス解消しよっ!」驚く俺。
しかし詳細はこんな感じだ……なんでも今の麻子さんのパトロン(?)である水着メーカーとタイアップして、新作水着と普通の女の子達をモチーフにした写真集を出すそうだ。
だから水着は支給のものを使わねばならないが、女の子は麻子さんがチョイスした普通の娘達3人だそうだ。
おまけにタイアップだから、必要経費はすべてスポンサーもち。
俺はフリーのカメラマンである麻子さんのアシスタントとして、荷物運びや雑用を手伝って欲しいと言うのだ。
もちろん連れて行って貰える事自体ご褒美みたいなもんだけど、ちゃんとアルバイト代だって出る。
俺は腐っていた気分を一蹴し、麻子さんに承諾の意を伝えた。
やってきました蓮根(はすね)島。
リゾート地としてはかなりマイナーで、ホテルも一軒しかない。
しかし海の色はそれだけに綺麗で、そこそこではあるがマリンスポーツの施設も揃っている。
そこで叔母に初めて紹介された女の子達3人はいずれも美少女ばかりだった。
とにかく元気いっぱいな瑞樹(みずき)さん。
その妹さんでもの静かな優樹(ゆうき)ちゃん。
おっとりしていそうだが天然フェロモン全開の貴美(たかみ)さん。
それにホテルのラウンジでバイトしている地元の女の子、ゆりちゃんもかなりの美少女だ。
思わず顔の緩みそうな俺だったけど……この面子に手を出すなって言うのは、ちょっと無理な相談だよね!?