独占

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【イントロダクション】主人公の「鮎川響一」は、以前からずっと自分に親しく接してくれている同じ学校に通う幼馴染「小鳥遊雪乃」のことが気になっていた。
しかし、無口な故に誤解されやすく、自分は彼女の恋人としては不相応だと思い込んでいる鮎川は、どうしても小鳥遊のその想いを伝えることが出来なかった。
そんな鮎川は、学園でも人気者のクラスメート「犬山つむぎ」から想いを告白され、小鳥遊に未練を残しつつも、犬山と付き合い始めることになる。
だが、恋人同士としての関係を始めても、性格的に屈折しており、己に自信を持つことの出来ない鮎川は、純粋な犬山の愛情を素直に受け入れることが出来ず、何時か相手に裏切られるのではないか、ということを病的に恐れていた。
そんな鮎川が、苦悩の果てに導き出した結論、それは「自分を慕っている相手に対して何処まで屈辱的な行為を強要することが出来るのか」という狂気の行動であった。
しかしそれは、相手の心を信じることの出来ない鮎川にとっては、自分に対する真実の愛情を推し量る為、自己確立の為にも必要不可欠な選択でもあった。
鮎川は、犬山に対してSM的な調教を行なうことを決意し、その情報をインターネット上の「SM調教」homepageから得て、学園内で犬山の身に過激な調教を施していく。
鮎川の突然の行為に始めは戸惑っていた犬山であったが、素直で鮎川に対して深い愛情を抱いている犬山は、その行為を相手の愛情表現として敢えて受け入れ、耐えていく覚悟をする。
一方、自身も鮎川のことをずっと想い続けていた小鳥遊は、鮎川が犬山と付き合い出したことにショックを受けていた。
小鳥遊は、落ち込みつつも、ある程度はその事実を受け入れようと気丈につとめる。
そんな小鳥遊に、クラスメートの「姫神薫」が接近してきた。
偏執的に小鳥遊を思慕する姫神は、小鳥遊を励ますふりをして相手の懐へと入り込み、小鳥遊を強姦してしまう。
そして、その一部始終をデータとして記録し、その後も小鳥遊を脅迫する材料に利用する。
更に姫神は、相手が自分から離れられないようにする為、巧みな調教を小鳥遊に施し始める。
そんな中、相変わらず不安定な精神状態で犬山に奴隷としての調教を与え続ける鮎川の元に、あるメールが届く。
それは、鮎川が犬山を調教していることを知った姫神からの挑戦状だった。
「お互いの奴隷を賭けて勝負をしよう。
勝負は自分の奴隷の調教度合いで決する。
そして、掛け金はお互いの奴隷……」勝負に負ければ犬山を失い、一人になってしまう。
しかし、勝つことが出来れば、小鳥遊を手に入れることが出来、全ての奴隷を『独占』することが出来る……。
微妙なすれ違いによって、その運命を大きく変えてしまった2組のカップル。
愛憎が入り混じり、錯綜する4人の男女の命運は、この調教勝負によって、更に混迷の度合いを深めていく。
果たして彼、彼女らにとっての真の幸福とは何なのか……。