プリンセスサーガI~恥辱の姫君~
Finish! ●あらすじ神の存在がいまほど遠くなかった時代。剣と魔法が存在し、国家間の争いが絶えない世界。
人々はひとつの大陸の中で生きていた。
その大陸の中では、争いによって様々な国家が生まれ、そして争いによって滅亡していった。
人類がいなくなるまで、この争いは絶えることはないと、誰もが思っていた。
豊穣な土地と資源に恵まれた小さな地方を統べる女性貴族がいた。
彼女はやがて戦乱に喘ぐ民に平安をもたらすために立ち上がり、君主となる。
他国の覇道を阻まんと強力な軍を組織し侵略を退けていく彼女は、希望の王と呼ばれた。
明日の平和を信じて、彼女の元には各地から有能な人物が集まる。
誰もが新たな時代の始まりを予感していた。
しかし希望の王は倒れる。
敵にではなく味方によって。
人々の希望は閉ざされ、より深い混乱と絶望が世界に拡がっていった。
希望の王の領土は蹂躙される。
豊穣な土地は各国の奪い合いとなり、恵まれた資源を欲して各地から賊が押し寄せる。
そして希望の国は、大陸の中でもっとも混乱に満ちた国に成り下がっていく。
……人々の欲望の渦から逃げ延びた集団があった。
それは、希望の王の血を受け継いだ若き姫と、彼女を守る騎士団の精鋭たち。
希望はまだ失われていない。
若き姫君は、劫火に消えゆく故郷を背に国の再興を誓う。
市井に身を隠し、いつの日か必ず――……旅を続ける彼女たちは風の噂で知る。
希望の芽を摘み取るための布令が広まっていることを。
生きていくことさえ困難な時代。
高貴な身分が故に勝手がわからぬ生活。
先立つもののなくなった姫君の一行は、路銀を稼ぐ為、裏路地にある酒場へ踏み入れていくのだが……そこで待ち受けていたのは、賎ましい者たちの欲望だった。
●登場キャラクター◆アリシア姫華奢で幼い容姿をしているが、常に毅然とした表情を崩さない。
言葉遣いは丁寧。
男性と話した事があまりなく、異性というものをよく理解していない。
真面目で勤勉。
何事も真剣に挑むから、人前に出すとへんな奴と思われる。
そのうえ「強がり」な性格。
責任感が強すぎて、自分の手に余ることまで引き受けてしまうようなところがある。
なんだかんだいって甘やかされているので、意志が通らないと不機嫌になったり、素直すぎて騙されやすいという弱点もある。
◆デシテラータ亡き君主の近衛騎士団の生き残り。
アリシア姫を担いで脱出した一団のリーダー。
騎士として勇猛で技量十分だが、お転婆に育ったいいとこのお嬢さんという素性のため、戦い以外の局面では意外なほど世間知らず。
謙虚で真面目な性格。
忠誠心も強い。
特にアリシア姫への敬愛の情は絶対的。
純情、朴訥。
「女を捨てて騎士になった」くらいの自負を持っているため、美女なのにまったく自覚がなく、そういう見方をされると極端に反発する。
ただし、平民に対しては、堅いなりに上からものを言う口調になってしまう。
そのため、真意や思いやりが相手に伝わりにくく、損をすることも。