集団痴漢電車【後編】
バニラ 【ストーリー】里佳子の次のターゲットは、一流商社マンだった。満員電車で、例によって里佳子がその男に接近し体を摺り寄せていく。
僕は里佳子と男の間に割り込んでそれを阻止した。
次は里佳子をその気にさせる手筈だった。
だが、その時女将こと天道寺飛鳥がすぐ傍の座席に腰掛けていた。
神様は危険を察知したが手遅れだった。
里佳子の尻をまさぐる僕の右腕は天道寺に捻り上げられ、天道寺が叫んだ「痴漢よ~!」あっという間に腕に手錠をかけられ、僕は車外に連れ出された。
勿論、その警察官も彼女達の仲間であった。
神様は天道寺飛鳥の痴漢対決に備えて、自らの手腕を磨くため、僕の見ている前で、次々と痴漢行為を繰り返す。
神様がその指先から発する念は、女たちの性欲を刺激し、興奮の坩堝へと導いていく。
女子高生、主婦、果てはお婆さんまでイカせるほどの凄腕に僕は舌を巻いた。
そこにスパイの渚絵里から情報がもたらされた。
天道寺は以前、痴漢をされてから心に闇を抱えているというのだ。
あらゆる男から触られることを拒絶する彼女を落とすのは、神様でも不可能に思われた。
神様は、師匠から譲り受けた痴漢日記を無心に読み始めた。