新妻と誘拐犯
Guilty+ ■ストーリー伊藤俊輔(いとうしゅんすけ)は、美大への進学を希望している六浪中の浪人生。三浪した後、親からの仕送りも止められ、予備校へも通えなくなった俊輔は、その後バイトをしながら自宅で絵を描く日々を過ごしていた。
友人もなく、バイトの仲間からも疎まれている俊輔は、ある日、栄養失調で倒れてしまう。
必死になって病院へ向かった俊輔は、病院の玄関先で動けなくなってしまい、誰もが冷ややかな視線で俊輔を見下ろす中、一人の女性だけが優しく話しかけて来てくれた。
それは、その病院で事務手伝いをしている紺野瑞穂(こんのみずほ)だった。
瑞穂の美しさと優しさに心打たれた俊輔は、大した用もないのに病院へ行き彼女の横顔を眺めるのが日課になっていたが、ある日、瑞穂は突然病院から姿を消してしまう。
職員達の噂では、駆け落ち同然に結婚して辞めてしまったのだという。
あまりのショックに、俊輔は再び希望のない日々を送るのだと落ち込んでしまう。
しかし……。
その数日後に奇跡が起きた。
バイトの配達で訪れた新築のマンションで、俊輔は瑞穂と劇的な再会を果たしたのだった。
これは偶然じゃない……。
二人は結ばれる運命にあると俊輔は確信した。
だが、二人の間に邪魔なモノが一つあった。
それは瑞穂の夫・孝志(たかし)の存在。
自分達が結ばれる為にはどうすればいい……?考えに考えた末、俊輔は行動に出た。
瑞穂を誘拐し、自分の部屋へと連れて来たのだ。
隣に建っている工場が一日中騒音をまき散らしていて、住んでいる住人は俊輔の他には耳の遠い老人のみ。
そんなアパートへ瑞穂を連れ込んだ俊輔は、早速欲望にまみれた『新婚生活』をスタートさせた。
「瑞穂さん、俺の子供を産んでください」■登場キャラクター●紺野瑞穂(こんのみずほ)資産家の一人娘で、名門の女子大を主席で卒業。
社会勉強として実父の経営する総合病院で事務手伝いをしていた時に、風邪をこじらせて診察に訪れた孝志と出会う。
父親に結婚を強く反対されたため、実家を飛び出して孝志と一緒になったが式は挙げずに婚姻届を出しただけ。
現在、結婚してから半年。
結婚したことには何の後悔もないが、両親の了解を得ていないが唯一の心残り。
孫の顔を見れば親もわかってくれると思い、早く子供が欲しいと思っている。
●伊藤俊輔(いとうしゅんすけ)美大を受験するため田舎から出てきたが、失敗続きで六浪中。
三浪後に仕送りを打ち切られてしまい、コンビニでバイトを始めた。
自分には絵の才能があるが、理解されないのは周りに見目が無いのだと思い込み、浪人を繰り返す内にどんどん性格が暗くなり、話す相手も居なくなってきた。
病院で優しく話しかけてくれた瑞穂に異常な執着を持ち、誘拐計画を実行する。
コンビニのバイトでは配達仕事もしており、ビールの配達で何度かマンションに入った事もある。
その時に盗聴器をしかけ、自宅で盗聴をしていた。
●紺野孝志(こんのたかし)大黒港湾建設株式会社社員・営業部所属人のよさそうな外見で、争い事を好まないやさしい性格の持ち主。
湾岸開発で知られる大黒港湾建設株式会社に入社して六年。
営業畑一筋。
新築マンションを二十五年のローンで購入した。
風邪をこじらせた時に訪れた病院で瑞穂に出会い、一目惚れしてしまう。
猛烈なアタックを繰り返し、ついに結婚へ。