闇の声異聞録
ブラックサイク ■物語闇の漂う島があった。地図にさえ記されていない孤島に、闇の住まう館があった。
そこに足を踏み入れたものは誰一人として戻ることはなく、享楽的な日々に身を置くことを選んだ。
ある者は他者を虐げ、ある者は怠惰に生き、ある者は肉体の性を変え、またある者は永遠の快楽を得た。
現実とはかけ離れた日々に疑問を抱く者はなく、彼らは今もその館で時を過ごしている……。
ある夜、闇が言った。
新しい獲物を招くよう、女に求めた。
それは、新たなる宴――。
人間が闇の力に溺れ、快楽のみを求める姿へと変貌する宴の始まりを意味していた。
闇が笑い、女が笑う。
傍らにいる二人のメイドも、やはり同じような顔で笑っていた。
水晶玉に映るのは、荒れ狂う海に翻弄され続けている一艘のボート。
その光景を見つめながら、闇が静かな声で、何かを予言するようにつぶやいた……。
「汝、全てを映す鏡なり――」そして、嵐に呑まれた一組の姉弟が島に流れ着いた……。
■登場人物●天野鏡美本編の主人公。
基本的には明るく活発、強気な女の子。
守のことを大切に思っているため、時折母親のように口うるさくなることもある。
劇中では『言霊』の影響で、様々な方向に性質変化する。
●天野守鏡美の弟。
おっとりしているが、時々勘のいいことも言う。
臆病で怖がりな性格をしているが、鏡美のためなら少しは頑張れる、かもしれない。
性的なことに関してはあまり知識がないため、鏡美に対しては当然のように姉という意識しか持っていない。
●小夜子毎度おなじみ、絶海の孤島の洋館に住む女主人。
ありとあらゆるものを魅了し、堕落させる妖悦淫靡な謎の美女。
●K小夜子に仕えるメイド。
控えめでおとなしい可憐な美少女だが、その精神構造は底深く、掴み所がない。
●七海小夜子に仕えるメイド。
行方不明になった兄を探す為この孤島の洋館にやってきたが、逆に堕落し小夜子に仕えることになる。
やや我侭で、気の強い美少女。
●世愛館のどこかにいる謎の少女。
闇の声や小夜子達との関係は一切不明。